現3人体制のSPORTS MENは、「ウクレレをリードに据えたロックバンド」という形を一つのテーマとして追求してきました。
その歩みは、2人で活動していた豊田・中村の旧友である澤田が、たまたま就職先の楽器屋でウクレレ専門の店舗に配属されたことに端を発します。
つまり、ウクレレという楽器と「静かなロックバンド」との相性の良さは、先に3人の友好関係ありきで、後から見出されたものだったのです。
それは、SPORTS MENにとっても、そして他ならぬ澤田自身にとっても、まさしく運命的な邂逅でした。
それから5年の月日が経ちました。
この間、本当に素晴らしい出来事、そして素晴らしい出会いがたくさんありました。
難しいことや傷つくこともたくさんありましたが、一つだけ自信を持って言えるのは、その都度、どうするべきかを全力で考えて、自分たちにできる最大限の選択をしてきたということです。
まもなく発表するNew Albumには、その全てが詰まっています。本当に『全て』が詰まっています。
そして、今作を最後に、澤田栄一がSPORTS MENを脱退することになりました。
縁あって、長野の老舗ギター工房で、積年の夢だったウクレレ製作の職人としてのキャリアをスタートさせることになったのです。
実は、今年の春に既に東京を離れて、豊田・中村とは別々の道を歩んでいます。
あとには、New Albumが残りました。全ての意味において、こんなものは、もう一生作れません。これが、僕らにとっての「ウクレレをリードに据えたロックバンド」の完成系です。
3人の唯一無二の一体感と、他では絶対に得ることのできない親密さを、ここに感じてください。
そして、既に澤田はいないのですが、リリースするNew Albumは紛れもなく3人の集大成なので、しばらくは、3人で写ったこの新しいアーティスト写真で活動していこうと思っています。
3人だったから、ここまで来られた。そして、僕らは「ここからどこへでも行ける」と感じています。
2024年 秋 SPORTS MEN一同
Photo by Ralph spieler